皆様お久しぶりです斉藤です。9月の活動は「カブ大避難訓練」と銘打ちボーイスカウトらしい防災訓練を実施いたしましたのでレポートいたします。
■9/11 東日本大震災から5年半、熊本地震から約半年
東日本大震災から9月1回目の集会はちょうど5年半がたった日でした。この日の集会では、次回おこなわれる「カブ大避難訓練」の準備集会。ツナ缶を使った簡易コンロをつくりました。コンロは次の集会の調理に使います。
また、救急法の一環として、三角巾を使った応急手当の方法をカブ隊長から学びました。
次回の集会に持ってくるものリストの説明がありましたが、ほとんど空欄?一泊二日の避難訓練で必要と思うものを自分で考え、リストをつくり準備するという指示でした。
また、災害に関するインタビューシートが配布され、家族に災害時の経験を聞きまとめるという指示もありました。
集会の最後、「スカウトの日」恒例のクリーン作戦を実施しました。
■9/24-25 いよいよ訓練当日! 雨天のなかゴジラが出現!
避難持ち出し袋や、食糧備蓄がされている家庭はカブ隊のなかではあまり多くありませんでした。事前に渡されたカブ通信にて防災持出袋の紹介をしていますが、それらを参考に避難訓練で必要なものを持参してもらいました。
当日のスタートはあいにくの雨。雨のなか南鳩ヶ谷駅のロータリーに続々とスカウトたちがあつまってきます。
開会セレモニーがはじまると隊長の話の途中、突然、隊長のスマホがなります。
「何、東京湾にゴジラが出現! 津波の恐れがありますか。わかりました高台に避難します!」といって隊長は電話を切ります。
さあ、雨のなか「避難ハイク」がはじまりました。今回は、組をばらばらにして4つの班を編成しました。時間にして30分のミニハイクです。運動靴できたスカウトは、ちょっと歩いただけで靴下まで濡れてしまいました。
■避難所へ
避難所が設営された新郷自然の森(高台です)に避難した一行は、タープの下、休憩をします。避難所の配給所では「この空き缶は大切にとっておくように」と一言添えてスポーツドリンクと飲料水が配られました。
■ツナ缶コンロ最強説
(材料:ツナ缶とアルミ箔とティッシュとサラダオイル)
濡れた身体を拭いたり、着替えたりと巣作りが行われたのち、夕飯の調理の時間です。「ツナ缶コンロ」の上に、水をいれた空き缶を載せお湯を沸かし、アルファ米を調理します。おかずは各々缶詰を持参しました。
アルファ米とは、お湯をいれて20分程度で、予想以上においしいご飯が食べられます。ツナ缶コンロは、なかなか点火しづらいのですが、一度火がつくと強力でした。スカウトたちも初めての体験で、テンションがあがっていました。意外とアルファ米もおいしく、白米やピラフ、混ぜご飯など、いろいろあっていつものキャンプにも使っても良いと思いました。
■ツナ缶の灯りの元、防災について語り合う
食後は、防災ツナ缶コンロをつかってキャンドルファイヤーをしました。先にしらべてもらった、家族の震災体験を共有したり、インタビューで気が付いた事をいろいろと話あいました。
多くの家で、100点満点で何点?という問いに、低い点数がついていました。
「避難持出袋や食糧備蓄がないので、これから準備をしたいです」という発表もありました。また、リーダー4人がそれぞれの班、それぞれの想いでランタンファイヤーは進行しました。
私は、話の流れのなか。たどたどしくも、
スカウトにこんなメッセ―ジをおくりました。
(4人のリーダーごとにメッセ―ジは若干変わっています。)
第一、災害はだれもが経験をすること。スカウトなら災害に備えよ。
第二、今回の経験や失敗をいかして防災の備えを、家族と一緒にしてみてください。
第三、「カブスカウトは、自分のことを自分でします」をしっかりやることで、「自分の身は自分でまもる」という防災意識がしっかりとつく。
第四、「カブスカウトは、たがいに助けあいます。」の言葉のとおり、災害時には助けあいの精神がとても大切である。
第五、将来、災害など困難な場面に向き合うことがきたら自分がスカウトだということを思い出して勇気を振り絞り、立ち向かって欲しい!
スカウト活動をしっかり続ければ「災害にまけない気持ちと力(技術)が必ず身に付く」。
語らいが終わりコンロの火が落ちました。
夜に給水所の水タンクが空になってしまいました。自らすすんで「斉藤副長、水をくんできます」と他の人のためになることを実践してくれたスカウトもいました(緑組しかF君と茶組くまS君コンビです)。
ゆっくりと夜はふけてゆき、テントのなか、防災ラジオの音と楽しそうなコソコソ声が、就寝まで続いています。
<テントサイトの様子>
■消火訓練
翌朝は、天候もよく朝食の配給から、コッペパンと牛乳をほおばります。
川口市消防局予防課さまから、お借りした訓練用水消火器「クンレンダー」を使い消火訓練です。使用法説明の後、ペットボトルや紙コップを的にして、消火器の訓練です。初めて消火器を使ったというスカウトばかりです。皆さんしっかりと手順を踏んで、消火器の使いかたを学びましたが、消火訓練は楽しいです。
楽しんで身についてくれるのであれば、私的にはOKです!
ちなみに、火災において実際に消火器が使われるのは約半分。ただし、消火器がつかわれた場合は、その7割が初期消火で鎮火するといわれています。
■救急法
前回の集会で学んだ三角巾をつかって応急処置を実際にためしてみました。リーダや保護者が、大けがをしたという設定です。とても痛々しい大人の姿をご覧ください。実際にやってみたのち、隊長からは、固定や止血のポイントの説明がありました。
■避難所の撤収
リーダーの指示のもと、5つのドームテントと5つのタープを撤収します。だんだん同じ作業を繰り返すことでだんだん手際もよくなり、想定する時間内で撤収することができました。
■まとめ 失敗や困ることを前提としたキャンプ
今回は、忘れ物が多い避難キャンプでした。持ってくるものについては、自分たちで考えて持ちものを決めたので致し方ありません。むしろ困って欲しいキャンプでした。訓練中、蚊の猛攻撃にあったり、雨でずぶ濡れになったりしたスカウトは困ったことでしょう。また、デンリーダーがいない時間も多く、整理整頓ができず置き忘れたものも沢山ありました。まだまだ、デンリーダーに頼っているスカウトもいるようです。
「斉藤副長、●●を忘れてしまいました」と相談するスカウトに
「そうか困ったなぁ。避難所だからないんだよ。工夫してなんとかしてみて。」
今回は失敗を歓迎するキャンプ。こまって、苦労して、我慢がいやなら工夫する。困難や生涯を乗り切る力が、不測の事態には必要なんだと私は考えました。意識が高いスカウトは、こういった失敗や苦労が、すぐに次のキャンプに活かされるのです。
ときに大人たちは、我が子を多少突き放して困らせて見守ればいいのです。手を出すのを我慢して見守ることも必要なのです。ダダをこねさせて、多少みじめな経験も、今のうちやっておきましょう。
苦労をしっかりすれば、成長の過程で忘れ物をしなくなります、予測して動ける子どもになります(私自身も小学校5年の時、忘れ物ばかりのみじめな小学生でしたので、、)。
避難所の生活について我々は経験もなく、あくまでも想像の域を越えません。ただ、これからボーイ隊、ベンチャー隊、ローバー隊で本格的なスカウティングを学んでゆけば、災害時、自らの身、家族を守り、多くの人のために活動できる人になれると信じています。
今回のカブ大避難訓練が、各ご家庭の気づきと、防災への備えのきっかけになれば幸いです。
最後に、ご理解、ご協力をいただきました家族の皆様と、ご尽力いただいたデンリーダー、デンコーチに感謝を申し上げます。
まじめで楽しい防災訓練になりました。スカウトたちもリーダーも訓練を終えてすがすがしい気持ちでいっぱいです。
カブ隊副長 斉藤