つづき
9/23(水) 五日目(最終日)
いよいよ夏期野営も最終日となりました。
スカウトのスローガンである「日々の改善」を重ねた各班の班サイトは、毎日少しづつ改良が加えられ、もうあと何泊か出来るくらい便利に生まれ変わっていました。
タイガー班
イーグル班
ドラゴン班
皆部活で帰ってしまい、精鋭二名(笑)となったドラゴン班の「いただきコール」中の図
恵方巻きではありません(笑)。
0730 点検
0800 おきてランニング2.0
↓
朝礼
ウォッグル返還・レプリカ贈呈。
前日の優秀班のタイガー班から返還されました。
レンジャーバッジ授与。
前日のワイドゲーム『オールドスカウトからの試練』を完遂したスカウト達に手製のレンジャーバッジが授与されました。
『野営工作コンテスト』表彰
左から、
優勝したドラゴン班 K 班長(「反射炉」)、
優秀賞のーグル班 I 班長(「システムキッチン」でWスカウトと受賞)、
特別賞(実用性)のタイガー班 W 次長(「食器乾燥棚+拡張機能」でS班長と受賞)
です。後輩達の良き見本となってくれました。 弥栄!
前日朝礼~この日点検までの優秀班表彰 By 小澤副長
イーグル班が表彰されました。
隊長の言葉
「終わりも良ければすべてよし。残すものは感謝のみ。」
0815 スカウツオウン
『君たちに守って欲しいスカウト運動の目に見えない真髄について』
「あるスカウト達は、『スマートネス』という言葉を知らないから、制服はしわくちゃで着こなしもだらしないし、集合をかけられてものろのろ歩くし、ハンドサインを見ても基本動作がだらんとしてる。
あるスカウト達は、『スマートネス』ということを大事にしていて、アイロンがかけられた制服をビシッと着こなし、集合がかかったら走って来るし、そもそも集合することを事前に知っているから言われてやるんじゃない。ハンドサインを見たら基本動作もビシっと決めて、ボーイスカウトが本気出すとなかなかカッコいいってことを知ってる。
最初言ったのは、恐らく今の日本の多くのスカウトの話で、後から言ったのは君たちの話です。
あるスカウト達は、ボーイスカウトが野外活動を中心にしていることを知らないから、野外活動が嫌いなスカウトも多くて、室内の集会が多くて、森じゃないから枝もなくて野営を工作もやったことがないし、アウトドアショップで買ってきたテント、タープやガスコンロをそのまま使うお手軽キャンプがボーイスカウトのキャンプだって思ってる。せっかくキャンプに行っても自然に深く接していない。彼らが楽しみにしているのは、キャンプファイヤーとか、仲間とわいわいやることだったり、進歩のバッジを取ること。
あるスカウト達は、野外活動どころか『ウッドクラフト』という言葉を知っていて、それがボーイスカウトにとってとても重要なことであることをうっすら感じているし、野外活動が苦手なスカウトも嫌いにはならないよう努力している。キャンプではアウトドアショップで買ってきた装備をそのまま使うよりも、創意工夫で枝や竹で野営工作を作る楽しさを知っていて、『ウッドクラフト』で不便なキャンプを楽しむことを知っていて、自然と深く接するキャンプをしている。仲間と苦労を共にする分、わいわいやる時はとても盛り上がる。もちろん進歩のバッジに挑戦したいスカウトもいる。
最初言ったのは、恐らく今の日本の多くのスカウトの話で、後から言ったのは君達の話です。
同じ教科書を元に活動しているはずなのに、どうしてこんなに違いが出てしまうんだろう。うまくは言えないのだけど、最初言ったスカウト達がお手本にしているのはこっち(↓)だけど、
私が今まで君達に教えてきた時にお手本にしてきたのはこっち(↓)です。B-Pが説いていた教えです。
B-Pは『ウッドクラフト』をとても大事にしました。それはただのキャンプやハイキングをすることではありません。ボーイスカウトの『ウッドクラフト』は単なる技術だけのことではありません。夢とロマンがあり、君達にとって最も大切なスカウト精神を育んでくれるものです。
あせる必要はないのですが、本物を目指して下さい。教科書に載っていないことも大事にしよう。夢とロマンあふれる『ウッドクラフト』はそこにあります。日本連盟のスカウトティングを守る救世主になって下さい。君達は私達大人の希望です。未来です。迷った時は、この那須の森を思い出せ!」
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0840 『班旗立て』
夏期野営最終日に行う恒例の班対抗競技です。
イーグル班が優勝を飾りました。
どの班よりも地道に班集会を重ねてきたことがハッキリと成果として現れた勝利でした。
0915 撤営
丸四日間かけて設営した班サイトを一瞬にして解体し片づけねばならなかったのですから、ただでさえ大変なのに、部活で帰宅したスカウトなども多数いましたし、野営場からお借りした炊具はいつも以上にきれいに洗ったりせねばならぬと、スカウト達にとってそれはそれは大変な撤営でした…。
撤営した班用テント・タープは、テント倉庫へ
野営場からお借りした炊具は、隊長の厳し~いチェックがありました。ヒーッ!
野営工作で縛材として使用した大量の竹も…
撤営後、スカウト達はクリーン作戦を行い、上級班長役の私のチェックを受け、弁当を食べました。
ドラゴン班はトイレ清掃も行ってくれました。
1330 閉営式
今年の夏期野営の最優秀班の表彰。
常にチームワークよく結果を出したタイガー班が表彰されました。弥栄!!
最優秀班には、リーダーお手製の記念品が手渡されました。
また、最終日まで五日間の夏期野営を完遂したスカウト達には、那須野営場オリジナルの記念品が体長から手渡されました。一人一人の名前を場長が焼印で押して下さったまさにオリジナルの記念品です。
隊長の言葉 ![イメージ 24]()
場長の言葉
お世話になった那須野営場に感謝の「弥栄」!
国旗降納
終了後、実はかなり撤営の時間が遅くなってしまったこともあり、一時間バスを待つことにし、スカウト達は本館でお土産を買ったり、那須野営場の雰囲気を惜しんだりして過ごしました。スカウト達は1530頃に西那須野駅から電車に乗り、川口へ着いたのは1800頃となりました…。
野営場を去る前に完遂したメンバーにてパチリ!
今回の夏期野営を終えた池田隊長の想いを伺いました…。
那須という最高の舞台で、B-Pが唱える「理想的なスカウトキャンプ」=これがベーシックなんだということをスカウト達に沁み込ませたかったのだそうです。
長期野営ならではの「創意工夫」や「自治」の楽しさ、やってみると野営は長い方がカラダも慣れてくるし楽しいということ、を理解してもらいたかったそうです。
長期野営、森での生活を通して、一人一人のスカウトが精神的に一皮むけて欲しい、班の問題点・葛藤も見えてくるだろうがそれを解決する力を養って欲しい、この経験により活動外でもスカウトとしての自信と誇りを持って生きていって欲しい、こうしたことを大切にしたいと思い、夏期野営ではスカウト達に想いをぶつけ、向き合い、共に過ごされたのだそうです。
『ウッドクラフト(森林生活法)』を通じた教育(ちかいとおきてを中心とした七つの要素)こそ、知性と野生を共に育てたいスカウティングに最適な教育法であり、それを意識して活動するよう務めています。そしてそれはどの団でも大事にして頂きたいものです!と仰っていました。
「ウッドクラフトとスカウト教育法」(2013年3月号『SCOUTING』より)
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私加藤も僭越ながら感想を述べさせていただきます。
私は今回、『野営工作』と、『スカウツオウン』、『スマートネス』に最もエネルギーを注力しました。
野営工作は、今年1月にスカウト達に紹介し、好きになってもらいたくて野営工作のジオラマを作り、2月に野営工作のミニチュア模型を作らせました。3月の『パイオニアリングアドベンチャー』では実際に製作体験をさせ、5月の高萩での『春期遠征キャンプ』で実戦を経験させました。これら以外の訓練も資料もたくさんありました。そうこうして迎えた今回でしたが、創意工夫やチャレンジ精神あふれる素晴らしい野営工作が数々生まれリーダー陣も感動しました。見る人が見たらまだまだな点あるやも知れませんが、彼らは今年初めてその存在を知り学んだばかりのスカウト達であり、今後もっともっと成長していくはずです。子供達の持つ可能性というものを感じました。そんな彼らが相手だからこそ、本来スカウティングが持つ「楽しさ」「素晴らしさ」「カッコ良さ」を教え導いてあげることがとても大切だと思い、現代を生きる彼らへ伝えたい想いを四日間のスカウツオウンに込めたつもりです。
最後に、私達ボーイ隊の夏期野営を支えて下さった那須野営場長、バックヤードスタッフの皆さま、スカウトを送り出して下さったご家庭の皆さま、部活の関係者の皆さま、スタッフを送り出して下さったご家庭の皆さま、他隊の皆さま、職場の皆さまに心より御礼申し上げます。長いブログにお付き合い頂いた皆さまも有難うございました!!!
完
(記:ボーイ隊副長 加藤愛彦)