皆さん、新年あけましておめでとうございます!
ボーイ隊副長の加藤です。
皆さんにとって2015年はどんな年だったでしょうか?
私は、たとえばスカウト教育の原点についてとても考えた一年でした。
原点と言えば、ボーイスカウト運動の創始者であるベーデン・パウエル卿は、「スカウト・スピリットの根底にある特色はスカウト運動の精神であり、この精神を解き放つ鍵は、Woodcraft(森林生活法)のロマンと Nature Lore (自然の驚異や知識・知恵)にある」という言葉を遺(のこ)しています("Aids to Scoutmastership(『隊長の手引』)"より)。
私達ボーイ隊も、2015年はウッドクラフト(とスカウト精神)が薫る活動を目指して頑張った一年でした。たとえば、キャンプにおいて「野営工作」というものを新たに始めた一年でした。「野営工作」とは、枝や竹などを拾ってきてこれらを材料とし、ロープワークを使ってキャンプに役立つ道具を作ってしまうという技術です。野営工作の形は無限の可能性があり答えは一つではありませんので、スカウト一人一人の創造力も引き出せるし、自然と向き合えるボーイスカウト独特の素晴らしいカルチャーではないかと思っているのです。
このブログをご覧になって頂いた方々なら、まったくの初心者だった当団ボーイ隊員たちが今年1月から野営工作への挑戦を始め、夏の夏期野営でなかなかの作品を作るまでに成長を遂げたのはご存じのことと思います。
・「スカウトスキルトレーニング」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39106731.html
・「グリンバートレーニング×2」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39175461.html
・「スカウトスキルトレーニング(野営工作II)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39177649.html
・「パイオニアリング・アドベンチャー(1)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39215907.html
・「パイオニアリング・アドベンチャー(2)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39215958.html
・「パイオニアリング・アドベンチャー(3)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39216000.html
・「スカウトスキルトレーニング」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39312827.html
・「春期遠征キャンプ(1)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39320967.html
・「春期遠征キャンプ(2)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39323301.html
・「春期遠征キャンプ(3)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39325597.html
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・「アドベンチャーキャンプ(1)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39491892.html
・「アドベンチャーキャンプ(2)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39494488.html
・「アドベンチャーキャンプ(3)」http://blogs.yahoo.co.jp/bsrs19/39495281.html
2016年、スカウト達にさらに高みを目指してもらうため、またいくつかの課題について確かめたいこともあり、手前味噌で恐縮ですが、私は12/27-30にかけて茨城県高萩市にある日本連盟の新しい野営場「大和の森 高萩スカウトフィールド」にこもって、野営工作の修行を行ってきました。12/28から合流してくれた当団ビーバー隊のN副長と川口15団ボーイ隊のT副長と、三名で頑張って製作した野営工作をご紹介させて頂きたいと思います。
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~高萩スカウトフィールド入口~
まだ正式オープンが数年後であり開拓中の野営場ですので、簡単な看板しかありません。
周りは広大な山林です。
~縛材の確保~
野営工作を始めるため、まずは材料(縛材といいます)となる枝を森で探します。自分の作りたい作品に合わせて、飛び出ている小枝を落としたり、ノコギリで切って長さもそろえたりします。
~結索法(縛材法、ロープワーク)~
そして、写真のように、麻紐で様々なロープワークを使って縛っていきます。麻紐の太さは3mmのものが使い勝手がいいと思います。100円ショップの麻紐はすぐに切れてしまうので野営工作には不向きです。(といっても、ホームセンターで売っている500mで600~700円程度のもので十分です)
~キャンプサイトの全景~
便利なキャンプ道具をたくさん持ち込むのではなく、あえて最低限の装備しか持ち込まずに創意工夫で野営生活を快適にしようというスカウト野営(スカウト野営)の精神を大切にしようということで、フライシートもポールは持っていかずに拾った枝を使って立てました。
~工作物~
『ミニ反射炉』 By 加藤
カマドの中に土を盛って、左右や前方から火が反射するようになっています。
この野営工作によるカマドは、ボーイスカウトの世界で一般的な「立ちカマド」の形とは違ったユニークなカマドです。私が敬愛する兵庫連盟の西宮3団さんがこのカマドを作っておられ、サイト(http://shukugawa-scout.net/camp/)を参考にさせていただき、見よう見まねで作ってみたものです。夏期野営で当団のボーイ隊員が製作に成功したのが当団では第一号でした。今回は「出来るだけコンパクトに」をテーマに飯盒(はんごう)二個にぴったりな小型なものを実験的に製作してみました。
実際に毎回炊事で使ってみましたが、左右や前の土壁から火が反射してくるために火力が強く、火にくべた薪(まき)がものすごい速さで炭になってしまうことに驚きました。火力の調整は飯盒をぶら下げる棒の高さを調整することで可能でした。
(参考) ボーイスカウトの世界で一般的な「立ちカマド」のイメージ図
『水缶台+洗い場』 By 加藤 (+2名に仕上げの協力を頂きました)
水缶台はキャンプでまず最初に欲しい便利な野営工作の一つだと思いますが、この工作物はそれに洗い場の機能を加えてみました。真ん中から手前に棒が二本伸びていて、普段は中に収納されている洗い桶を引き出して洗うことが出来るようにしました。水缶の左右も棚で、正面にはタオルかけがあります
『キッチン』 By 加藤+2名の合作
左から、生ごみ捨て、まな板作業テーブル、テーブルです。右上に調味料置き場、正面にはタオルかけがあります。大型の野営工作はそれだけ枝の調達も大変で時間もかかりスカウトには大変です。私達にとって枝があまり落ちていないキャンプ場での野営も多いことから、出来るだけコンパクトな野営工作にしようということでこの大きさにしています。
『テーブル』 By N副長
やはりテーブルは必須なので重宝しましたし、なかなか味のあるテーブルでした。
『長椅子』 By N副長
一見あぶなっかしく見える構造なのですが、実際にはとても安定しているアイデア作品の優れものでした。
『ノルウェーストーブ』 By N副長
私も実際に燃えているところを見たのは初めてでした。
『棚』 By T副長
初めて野営工作に挑戦した人が製作したとは思えない出来栄えでしたし、左横のスコップかけはスコップの先が地面につかないようにグッドアイデアな構造になっています。
『ゴミ箱』 By T副長
地味な野営工作ですが、これもまたキャンプにあるととても便利な工作物です。ゴミ袋が地面につかないようなニクい工夫がされている優れものでした。
『自立式掲示板』 By T副長
当団ボーイ隊長が野営工作で作った掲示板にひとめぼれされて作ったそうですが、脚の部分を三脚にして自立できるようにアイデアを加えた優れものでした。
~解体後~
みな野営工作にすっかり愛着が湧いてしまいましたので、野営工作を解体する時はみな無言でした・・。
使った枝を集めてみたらこんな量になりました・・・。
今回ご紹介した野営工作の製作者たちの記念写真です。(左から加藤、N副長、T副長)
今回は参加者それぞれが自分なりの課題を持ってこのたった三人の研鑽の場に参加した訳ですが、みなさん野営工作の楽しさを分かってくれたようでした。
また、野営工作の縛材(材料)として竹を使っている団は多いのですが(竹には軽くて持ち運びに便利・加工がラクチンというメリットがあります)、枝で作る野営工作の良さをみな理解してくれたようでした。枝はまっすぐではないですし、小枝も飛び出ていたりしますので工作物を作る際には思い通りにすんなりいかないことが多いです。しかしそれを受け入れ、逆に生かしていくことで、スカウトたちに様々なこと(異質なものを受け入れる許容性、苦難をチャンスに変える発想力、などなど)を考えさせる機会を与えてくれます。また、木が持つウッディな質感は例えば『トム・ソーヤの冒険』の世界を彷彿させるような冒険的な雰囲気があり、竹にはないドキドキワクワクを与えてくれるのではないかと思っています。
強風や予想以上の厳しい寒さ(氷点下でした!)で思っていたより動けなかった今回でしたが、非常に得るものが多い機会となりました。まだまだウッドクラフト(森林生活法)を語るには早い若輩者であり、駄文何卒ご容赦願います。
年始から長文となり大変失礼いたしました。
今年も一年どうぞよろしくお願いいたします。
(記:ボーイ隊副長 加藤)